「The Right Stuff」Vol.20 今回は佐野元春
3月13日に63歳のバースデーを迎えた佐野元春、1980年のデビューから1年間のニューヨーク生活を経て発表された4枚目のアルバム「VISITORS」までのシングル曲をピックアップ。
M1 アンジェリーナ
M2 ガラスのジェネレーション
M3 NIGHT LIFE
M4 サムデイ
M5 ダウンタウンボーイ
M6 彼女はデリケート
M7 シュガータイム
M8 ハッピーマン
M9 スターダスト・キッズ
M10 グッドバイからはじめよう
M11 TONIGHT
M12 COMPLICATION SHAKEDOWN
M13 VISITORS
M14 NEW AGE
今後の放送予定
3.22(金) 23:00~
3.23(土) 23:00~
3.24(日) 23:00~
3.25(月) 23:00~
3.26(火) 23:00~
3.27(水) 23:00~
3.28(木) 23:00~
3.30(土) 13:00~
3.31(日) 21:00~
4.1(月) 8:00~
4.2(火) 13:00~
4.3(水) 21:00~
4.5(金) 13:00~
4.6(土) 21:00~
佐野元春はこの時期、4枚のオリジナル・アルバムとベスト・アルバム「No Damage (14のありふれたチャイム達)」を発表している。シングル曲をもれなく順番に並べたところ、ファースト・アルバムからのセレクトが1曲になってしまった。「さよならベイブ」ぐらいは入れたかったのだが…
5枚目のシングル「ダウンタウン・ボーイ」はまんま「明日なき暴走」テイストのシングル・ヴァージョンを選びたかったが、残念ながらe-onkyo music にその音源はなかった。
なお、収録時間の関係でM13はフェイド・アウトした。
佐野元春のヒストリーを考えた場合、1985年のヒット「Young Bloods」まで選曲に入れるべきなのだろうが、「NEW AGE」をラストにしたかったのでカットした。
具体的な予定はないが、Vol.2はこの曲からのスタートとなる。
松田聖子のデビューは1980年4月1日、佐野元春は同年3月21日。
松田聖子のデビューには反応しなかった私は、佐野元春のデビュー曲「アンジェリーナ」には過剰に反応した。こんな奴が日本にいたとは! 正直びっくりしてレコード屋さんに走った。
ロックン・ロールが何たるかを知っているキレのあるサウンド、カタカナでイメージを積み重ね、♪クルマが来るまで闇にくるまってるだけ♪ に象徴される韻を踏んだリリック、すべてが刺激的だった。
70年代のブルース・スプリングスティーンは東海岸の都会に暮らすワーキング・クラスのチンピラだったが、佐野元春は東京育ちの都会っ子だ。彼のロッックン・ロールにはウィット、ユーモアというか諧謔、茶目っ気があって小気味よかった。
そんなスマートな気取る佐野元春が、1981年にNHK FMの彼の番組「サウンド・ストリート」で新曲「SOMEDAY」をオンエアしたときには「やったね!佐野くん」と素直に嬉しかった。
(今思うとおまえは何様なんだっ!と突っ込みたくなるのだけれど)
1982年には「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」に参加して、サード・アルバム「SOMEDAY」を発表する。レコーディングは同時に行われていたようで、アルバムのキーとなるはずだった「マンハッタンブリッヂにたたずんで」を大滝詠一の要請で「NIAGARA TRIANGLE Vol.2」に提供してしまったため「SOMEDAY」の完成にはずいぶん苦労したという話も聞くが「ロックンロール・ナイト」が収められているからノー・プロブレム、名盤だ。
「wow 今夜こそ たどりつきたい」と歌った26歳の佐野元春は、63歳となった今、たどりつけたのだろうか…
Text by “The Right Stuff” 選曲&制作担当 Steve